ラズロ博士からあなたへ
Check共同代表の宮川卓也です。
いつもWorldShift Osakaに興味・関心を寄せて頂き、
誠にありがとうございます。
「WorldShift」は単なる主張というよりかは
「問いかけ」です。
これを見て頂いているあなたと一緒に地球の有り方を
強い気持ちで議論し、かつ行動を伴わせることで
確かな未来を築いていきたいと思っています。
この「問いかけ」を言い始めた方はアーヴィン・ラズロ博士です。
日本では馴染みのない方かもしれませんが、
1932年ハンガリー生まれ。「システム哲学」と「一般進化理論」の
創始者であり、ローマクラブの著した「成長の限界」でも執筆に尽力。
ダライ・ラマ法王14世、ゴルバチョフ氏、アーサー・C・クラーク氏、
ピーター・ガブリエル氏などノーベル平和賞受賞者を含む
「世界賢人会議」と称されるブダペストクラブの主宰者である。
そんな彼から、今回あなたに、わたしに。
そう!わたしたち日本の若者にメッセージを特別に頂きました。
是非読んでください。私はこれを読むと震えます。
あなたは世界を変えることができる!
若者に向けてのメッセージ
あなたをはじめとする現代を生きる若者たちは、歴史上、最も恵まれた人々です。
なぜなら、われわれの祖先が自身をホモ・サピエンス(homo sapiens)と名付けて以来初めて、
一つの世代——あなたの世代——が、人類が直面している大いなる課題に挑戦する資格を与えられているからです。
その課題とは、変化を成し遂げることへの挑戦であり、それはとても重大で時宜にかなったものだといえます。
あなたがこの変化という課題に直面している理由は、先人がつくってきた世界が、もはや持続不可能なものだからです。
「持続不可能」とは、もし世界が変わることができないのであれば、やがて崩壊するということを意味します。
今のあり方では、だめなのです。
地球温暖化や気候変動は、現代世界が直面している「持続不可能なもの」の一つに過ぎません。
都市の過密化、健康問題の悪化、不寛容の精神から生まれる暴力、短期的な経済的利益を確保するために行われる戦争などは、
われわれが直面している多くの課題の一つです。われわれの前の世代は、生態系の維持にきわめて重要なバランス――われわれや自身の命、そして無数の生命にとって不可欠なバランス——を、著しく傷つける生き方をしてきました。
あなたたち若い世代は、損なわれたバランスを修復しないといけません。
およそ70億の人間がこの惑星に住んでいます。そのうち、何人が20年後にも生き残るでしょうか。10年後には?
もしわれわれのうちの誰かが生き残るのだとしても、残りの大勢はどうなるのでしょうか。
とくに、わたしたちは短期的な利益をつかむために、暴力に訴える傾向があります。
もし世界がこのまま衰退の一途をたどるのであれば、また、残された時間があるうちに、
もし裕福で影響力のある層の人々の考え方が変わらないのだとすれば、誰もが無傷のままではいられない大惨事が起きるでしょう。
なぜあなたたち若い世代が、創造的で意味のある変化をもたらす鍵を握っているのでしょうか。
この問いに対する答えは単純です。あなたは、意味のある変化を起こすための起爆剤になる時代
――変化が必要であるだけではなく、実現可能な時代――に生まれてきました。
力ある者は変化を恐れ、抗います。それが政治家であれ、企業人であれ、教会的権威や社会的権威であれ、
並外れて公平で賢くない限り、彼(女)らはあらゆる手段を使って現状維持を図ろうとします。
変化を望む者を「破門」――中世ヨーロッパにおいてカトリック教会が行ったものではなく、現代的意味で――しようとします。
つまり、変化をもたらす主体の存在を無視したり、仮に無視することができなかったら、その人の評判を傷つけたり、嘲ったりします。
しかしこれは、あなたたち若い世代が今日において決して打ち勝つことのできない問題ではありません。
たしかに世界の支配的な層は変化にまだ抗おうとしていますが、彼(女)らにはもはや変化が起きるのを抑え込む力はありません。
今日の社会は危機的状況――経済的、金融的、社会的そして文化的な危機――にあります。
これは社会が不安定であって、さらにはカオスにも似た状況下にあるということで、
イノベーションが生まれ拡大していくことができることを意味します。
一見すると小さな団体や些細なイニシアティブでさえも、今日では、大きな変化の触媒になりえます。
有名な「バタフライ効果」と呼ばれるもので、これはあらゆる複雑なシステムがカオスの淵にあるときに見られる現象です。
あなたは変化をもたらす蝶々になることができます。
みずからの翅をつかって旧いものを取り除き新しきものをもたらす竜巻をおこしてください。
日本は世界の主要国の一つです。日本で起こったことは世界に影響を与えます。
そして、しばしば日本はイノベーションの分野において世界の他の国々に先駆けた存在です。
今、効果的で時宜にかなった変化を、日本人自身のためひいては世界の人々のために先駆的に導入することが求められています。
あなた――そして、あなたを含めた日本の若い世代――は今、変化をもたらすことができます。
あなたには前の世代が持ちえなかった機会が与えられています。それをつかみとりなさい。
そうすることは、あなたのためにもなり、そして人間社会すべてのためになります。
アーヴィン・ラズロ
2010年 9月
いかがですか。
おそらくこの企画が終わった後、アーヴィン・ラズロ博士に報告に行こうと思っています。
それは11月13日、14日。
日本の若者のパワーが大阪の会場に集結し、そして1人でも
多くの人の「帰結点」になり、その点が線になって、面になっていくのだという
確かな報告を僕は彼にするためにも、頑張っていきます。
もう一度言わせてください。
僕たちの今回のアクションは「問いかけること」です。
これからもよろしくお願いします。
あなたの声を聞かせてください。
WorldShift Osaka共同代表
宮川卓也